お口のメンテナンス
- 2022年11月25日
- 予防歯科・メンテナンス
お口のメンテナンス
こんにちは、院長の千崎です。
前回、お口の健康を長く保つためには「お口のメンテナンス」が大切というお話をさせていただきました。
今回はそのお口のメンテナンスについて詳しくお話をさせていただきます。
「お口のメンテナンス」ってなにをするの?
まずメンテナンスという言葉の意味ですが、「維持」「持続」「保守」「保全」などの意味を表します。
車や電化製品などによく使われる言葉としてなじみがあると思います。
日本でも最近では徐々にお口のメンテナンスを受けるという習慣が浸透し始めていますが、聞きなれない方も少なくはないかと思います。
「予防歯科」という言い方でも普及しています。
メンテナンスと予防歯科は厳密には違うところもあると思いますが、両方ともお口の健康を維持するということが目的なのでここでは同じものとして扱っていきます。
メンテナンスの大きな目的としては主に3つあります。
①プロフェッショナルケア
歯科医師や歯科衛生士による専門的な処置のことで、具体的には歯石取り(スケーリング)や歯面清掃(PMTC)などをします。
患者さん自身では取り切れない歯垢や歯石などを私たちがきれいにすることでより良い状態に仕上げていきます。
②ホームケアの向上のためのサポート
患者さん自身のお家での歯磨きなどのお口のお手入れをホームケアと言います。 例えば歯ブラシ1本にしても、すべての人に合う完ぺきな歯ブラシというのはありません。年齢を重ねるにつれて手も細かく動かなくなっていきますし、お口の状態も歯ぐきが下がってきたり、歯の隙間が大きくなってきて歯間ブラシが必要になってきたりします。ですから、自分に合ったメンテナンスの方法を知っていただき、お家で実践できるように私たちがサポートします。
患者さんとしてはお家ではできない歯石取りなどの方が重要と思われるかもしれませんが、じつはこのホームケアをきちんとすることが一番大切といっても過言ではありません。なぜならメンテナンスに来るのは3~6か月に1回なので、メンテナンスに来た日だけきれいになったとしても、その他の日は汚れている状態では全く意味がありません。
歯科医院で歯磨きやフロス・歯間ブラシの仕方を教えてもらうけど時間が経つとやらなくなった、やり方を忘れてしまった、磨き方が自己流に戻ってしまったなどの経験はありませんか?・・・心配しないでください。ほとんどの人がそうです。
何年、何十年とかけてついたもともとの癖や習慣はそう簡単に変わるものではありません。
ですから定期的にメンテナンスに来ることで、お口に対するモチベーションを高く保つきっかけにしていただくという目的があります。
たとえ話になりますが、ダイエットをされたことがある方はよく分かると思うんですが、ダイエット自体もなかなかしんどいんですが、それと同じくらい大変なのがそれをキープすることだと思うんですよね。そばで誰かが応援してくれて、的確にアドバイスをしてくれると成功率はかなり高くなります。ダイエットで有名なライザップはその最たる例だと思います。
メンテナンスは患者さんと私たちで一緒頑張っていくというイメージです。
③ライフステージにあった個別サポート
虫歯や歯周病にかからないようにするということも大切なのですが、お口の健康を守るためにはそれ以外にも大切なことが沢山あります。子供の時期であれば、食事の取り方、歯並び、呼吸の仕方などが虫歯になりにくいお口の環境づくりに大きく関わってきます。高齢期になると、薬の服用によるお口への影響、筋肉の衰えによって食事(嚥下)や発声への影響などが出てきます。
患者さん一人ひとり生活環境も違いますし、年齢によってもお口にとって必要なことは変化していきます。 そういったことを患者さんにお話ししながら、ご自身の健康に必要な知識を深めていっていただきます。
お口のメンテナンスで健康をキープ
お口は毎日使う場所です。歯は年齢とともに消耗していきます。とくに詰め物、かぶせ物、入れ歯の留め具がかかっている歯は経年劣化によって問題が起きやすくなります。
平均寿命から考えると、男性81歳、女性87歳まで歯を使わなくてはなりませんから、何か問題が起きてからではなく早い時期からお口のメンテナンスを習慣化しておくことが大切です。
引用:砂書房発行「新・歯周病を治そう」